看取り介護の現状

現在、人生の最期の時を迎えるのは病院という人がほとんどです。自宅で療養していても、何か様子がおかしいとか苦しそうにしているといった変化があれば、病院へ運ぶのが当たり前のようになっています。

本人は自宅で最期を迎えたいと考えていても、実際のところ自宅で看取り介護を行っている人はかなり少数だと言えるでしょう。自宅で亡くなるつもりであれば、訪問診療を受けるとか、ホームヘルパーに来てもらうなどの準備が必要になります。訪問診療でかかりつけ医がいるのであれば、最期の時を迎える際に立ち会ってもらえるので良いのですが、訪問診療を受けていない人が自宅で亡くなると警察の検視が行われるので、すぐに葬儀が行えない場合もあります。

高齢化社会で長寿社会でもあるため、何も医療行為は必要ない、穏やかに静かに最期の時を迎えたいという人も増えています。そのため、最近では介護施設で看取り介護を行うところも増えてきており、介護職員が看取り介護について学んでいるところも多くあります。

看取り介護を行った施設には、看取り介護加算があることも大きいです。これがあることで、特養などの施設で看取り介護を行うところが増えたと言えるでしょう。

看取り介護の現状は、病院よりも介護施設へとシフトし始めており、介護施設ごとに看取り介護や終末期医療について教育や研修を行っています。しかしながら、まだまだ終末期ケアに関する教育の場が足りないため、十分な看取り介護ができないというのが実情です。